モーティマー・サックラー
バラの入手方法は色々だ。カタログを見て選び、新苗や大苗を購入する場合もあるが、花を見て一目惚れして連れて帰る、ということもままあるはずだ。そういう出会い方をしたバラは、そのバラに出会った日のことを、覚えている人は多いと思う。そして、その時のイメージがどうしても頭から離れない。そんなバラが私にもいくつかある。このバラも、そんなバラの一つ。その咲き姿に魅了されて購入したバラの一つだ。
モーティマー・サックラー
Mortimer Sackler
イングリッシュローズ:
分類/S
シュラブ
習性/四季咲き
花径/中大輪
花形/オープンカップ咲
樹高/1.5m×1m
とげ/ほとんどない
香り/中香
性質/強い
小さめで濃い緑の葉を持つ背の高いシュラブ樹形ですらりと伸びた濃い茎につける花は美しく繊細。
ほとんどトゲがなく非常に丈夫なバラ。
花は中輪で、ソフトピンクの趣が変わったバラだ。
蕾は細長く、開くと縦長の花弁がやわらかで、ふわっとどこまでも優しく包んでくれるような雰囲気がある。
一方で、私とこのバラの出会いの時のイメージから、私的には、どうしてもどことなく悲しげな雰囲気を感じてしまう。どうしても灰色のイメージがついて回るのだ。
ほとんどのピンクのバラは、5月の青空に良く映える。しかしモーティマー・サックラーのピンクは
青空よりも今のような梅雨空、曇り空、
灰色の空に似合うという印象が強いのだ。
もともと、ピンクとグレイはお互いに似合う色だがこのモーティマー・サックラーのピンクと雨空のグレイは私の中で、常にベストマッチの色だ。
その理由はこれ。
数年前の秋、花つきの鉢苗を購入してすぐの頃に撮った写真「台風が来る前の空に向かって咲いているモーティマー・サックラー」は
←最高だった。
出会ったときからずっと、私の中のモーティマー・サックラーは、いつもこの時のモーティマー・サックラーなのだ。